現職自衛官アンケート
退職後の生活設計は30歳代が最も計画的
防衛省の「防衛力の人的側面の抜本的改革に関する検討会」(長・防衛相)は昨年11月、退職後の生活に対する意識を探るため、現職自衛官へのアンケート調査を実施したが、退職後の経済生活に備えて貯金など計画的な資金作りや年金、保険、税制に関心を持っているのは30歳代が最も多いことが調査結果から分かった。30歳代はバブル経済崩壊後に社会に出た、いわゆる“失われた10年”のロストジェネレーションとも言われ、就職難を経験しているだけに老後への備えにも関心の高い点が浮き彫りになった形だ。
曹クラスを中心に約2千人調査
検討会のライフサイクル検討グループは昨年11月、現職自衛官2000人(陸1000人、海空各500人)を対象に、現在の平均月収をはじめ必要経費、貯蓄、退職後の経済的な備えや不安事項など35項目のアンケート調査を実施した。
調査は30、40、50歳代に分類。30歳代955人(女性53人)、40歳代726人(同8人)、50歳代304人(同0人)の計1985人が回答した。階級別では准曹クラスが1573人で78・8%で、在住地は関東が最も多く23・5%、次いで九州・沖縄が18%、東北が15・5%、北海道12・4%など。既婚者は1566人で、子供2人、結婚時の平均年齢は約28歳だった。
収入面からみるとボーナスを含む本人の平均月収は30〜35万円が23・4%、25〜30万円が19・9%、35〜40万円が16%となっており、30代では20〜25万円と25〜30万円、40代が35〜40万円と30〜35万円、50代が30〜35万円と35〜40万円の収入層が多く、民間と比べて遜色はなかった。
1カ月の食費や被服、教育費などの必要経費は30代では15〜20万円、40代で20〜25万円の層が多いのに対し、50代では15〜20万円という層が多かった。収入が足りているかどうかの質問では全体の58%が「足りない」と答えている。
貯蓄の目的についての質問では「定年後の生活」とした人が64・2%と最も多く、40歳代で比率が高かった。30歳代は「子供の学費」を貯蓄理由のトップに挙げている。次いで「住居購入」が30、40歳代で共通していた。
借財では2000万円以上が最も多く、次いで300万円以下、1500〜2000万円の順で、理由は3世代とも住宅ローン、次いで車のローンだった。
一方、退職後の生活についての不安事項では、3世代ともトップが「収入」、次いで再就職先、親の介護、自分の健康の順で、陸海空とも同じ傾向だった。
退職後について計画を立てている人は全体では11・8%にとどまり、9割近くが白紙の状態。計画としては「アパート経営」などのほか、「退職金・再就職先の給与で生活」「農業・漁業を始める」「預貯金で生活」「年金で生活」「海外移住」など。
また、退職への準備では、30代が預貯金をトップに挙げ、次いで再就職に向けての準備、年金に関する知識の取得、計画的な資金計画の作成、浪費の抑制、保険や税制に関する知識の涵養の順に関心が高かった。30代はこのほか贈与や相続に関する知識を挙げる比率も高かった。
40代も預貯金や浪費の抑制など30代と同様の傾向がみられたが、50代では間近となった退職に備え、再就職の準備がトップだった。