イージス艦守る新鋭艦19DDを調達
海自19年度業務計画
高度な防空・大潜能力
新編DDGグループで エリア防衛担う
海上自衛隊の19年度業務計画に5000トン型汎用護衛艦(DD)1隻の新規調達事業が盛り込まれている。平成23年度に除籍が見込まれるDDの後継艦で、弾道ミサイルの警戒・対処に当たるイージス艦を航空機、潜水艦、水上艦艇などの攻撃から護衛するとともに、本格的な侵略事態にも対応できる高度な防空・対潜戦・対水上戦能力を備えており、エリア防衛能力の向上を担う新鋭艦として期待される。
19年度型汎用護衛艦概要図
発展型対空ミサイルを搭載
海自は現防衛大綱で、弾道ミサイル攻撃への対応をはじめとするテロなどの新たな脅威、多様な事態等に実効的に対応できる艦種の組み合わせを念頭に、事態が長期化した際のローテーションをも考慮した部隊を編成することとされている。
また、現中期防では周辺海域の警戒監視、領海内で潜没航行する外国潜水艦、武装工作船などへの適切な対応など多様な事態に実効的に対処するため、DD4隻、DDH1隻の整備が計画されている。
これに基づき、海自は19年度に、機動運用部隊となる護衛艦部隊をヘリ搭載護衛艦(DDH)、ミサイル護衛艦(DDG)各1隻、DD2隻の4隻からなるヘリ運用を重視したDDH中心グループ、DDG1隻とDD3隻で構成する弾道ミサイル防衛(BMD)を含む防空重視のDDG中心グループを基本戦術単位とする過去最大規模の部隊改編を実施する。19DDはこのうちのDDGグループの一翼を担うことになる。
DDGグループは弾道ミサイルの警戒・対処に従事することが想定されているが、その際、主力となるイージス艦はフェーズド・アレイ・レーダーのエネルギーをミサイルに集中させるため、航空機、潜水艦、水上艦艇による攻撃にさらされる危険が大きい。19DDはそうした場合に備えてイージス艦の護衛に当たる。
現有のDDが持つSAMシステムは自艦防御が目的で、イージス艦の護衛には向かない。これに対し19DDは艦対空ミサイルに発展型シー・スパロー・ミサイル「ESSM」を搭載。ESSMは推力偏向装置を有し、最大50Gの旋回も可能という高い運動性能を持つ。終末誘導はセミ・アクティブ・レーダー・ホーミングだが、中間段階では慣性航法装置とデータリンクによる自律飛行も可能だ。射程は18キロ以上で、従来型は4分間の発射準備時間が必要だったが、即時発射が可能となる。垂直発射装置に1セル当たり4発が搭載できる。
レーダーシステムはFCS3改を装備。フェーズド・アレイ・レーダーを備え、半球空間全域での同時多目標への対処能力を確保する。傾斜平面を多用した船体、RCS低減型マストでステルス性にも配慮、エリア防衛の中核として活躍が期待されている。所要経費は約848億円。
◇19DD主要目=▽基準排水量5000トン▽速力30ノット以上▽主機ガスタービン4基2軸▽主要装備=62口径5インチ砲1基、高性能20ミリ機関砲2基、垂直発射装置1式、対艦ミサイル発射装置1式、短魚雷発射管2基、魚雷防御システム1式、レーダシステム1式、航海レーダー1基、水上艦用ソーナーシステム1式、電子戦装置1式、情報処理装置1式、哨戒ヘリコプター1機。