|
「朝雲」グラフ特集
|
|
NBC探知機器など最先端装備勢ぞろい |
| 首都東京をテロから守れ 自治体や警察、消防、自衛隊などの関係者を対象にした「テロ対策特殊装備展」が10月17日から19日まで、東京・臨海副都心の東京ビッグサイトで開催された。東京都が特別協力する「危機管理産業展2007」に併催される形で初めて開かれたもので、来年の北海道・洞爺湖サミットの警備などにすぐにも活用可能な爆発物・NBC(核・生物・化学)物質の探知センサーをはじめ、多彩な対テロ装備が紹介された。屋外展示場では空自高射部隊により、ペトリオット対空システム(PAC2)一式も特別展示された。 |
|
|
|
日本の2度目の主催となるPSI海上阻止訓練「パシフィック・シールド07」は10月13日から15日まで、日、米、英、豪、仏、シンガポール、ニュージーランドの7カ国が参加し、大量破壊兵器関連物資の拡散を海上阻止する要領をオブザーバー参加の35カ国の前で演練した。自衛隊は海自護衛艦「いかづち」の立ち入り検査チームが洋上での乗船から立ち入り検査要領までを2日間にわたって実施。また、陸自中央即応集団の101特殊武器防護隊が化学剤の検知、除染作業を行った。以下は3日間にわたった訓練の模様−−。 会場でペトリシステムを展示 |
![]() テロ対策特殊装備展を視察に訪れた石原都知事(中央)。握手を交わしているのは同展特別顧問の佐々淳行元内閣安全保障室長 |
![]() テロ装備展の入口に設置された「ウォークスルー虹彩認証システム」のゲート。人物の認証を眼球の虹彩で確認(パナソニックシステムソリューションズ) |
![]() パソコンで入力した飛行コースを自律的に飛行し、各種センサーにより地上偵察ができる携帯型無人機「小型自律飛行ロボットシステム」(三菱電機) |
![]() 化学・生物・放射能・核のすべての除染が1人の操作、1種類の除染剤で行える「C921」システム(伊クリスタニーニ社、日本代理店ウエスタン・リンク) |
|
|
![]() 爆発物の成分をわずか15秒で検知できる携帯型爆発物トレース検知器「ミニノーズ1000」(イスラエルのSDT社、日本代理店コーンズドッドウェル) |
![]() 重さ11キロの小型無人潜水機「シーボテックスLBV150」。船上や岸壁から遠隔操作し、搭載したカメラで不審船の船底調査などもできる(日本海洋) |
![]() 日本全域を写した衛星画像を手のタッチで自在に選択・拡大できるテーブル型タッチパネルシステム「J−Browser」(日本スペースイメージング) |
![]() 携帯型コンテナに化学・生物・放射能・核のすべての検知機材を組み込んだ「モバイルCBRNシステム」。どのような種類のテロかを現場で直ちに識別(帝国繊維) |
![]() 市街地戦闘訓練場の建物内を遠隔操縦で移動させ、隊員のゲリラ掃討訓練などに活用できる「射撃訓練用ロボットターゲット」(セキュリコ) |
今年が初めてとなる「テロ対策特殊装備展」には文部科学省、大阪大学、NBCR対策推進機構といった政府関係機関をはじめ、民間から住友商事、セキュリコ、帝国繊維、デュポン、三菱重工業、三菱電機、理経、日本海洋、朝雲新聞社など計38社・機関が出展。 会場には実物の装甲トラックをはじめ、テロリストの発見・追尾にあたる無人車・無人潜水機・無人機といった装備品から、爆発物やNBC物質を非接触で探知する高性能センサー、壁の向こう側にいる人物の動きを探る壁面貫通レーダー、海中から潜入したダイバーを捕捉する水中警戒システム、機動性を追求した防護服、対テロ訓練用のエアガンやリモコンで移動する人物型標的など、自衛隊でも活用できそうなハイテク機器が並び、自治体や警察、消防、自衛隊の関係者ら3日間で約1万4000人が来場、情報を集めていた。 一方、屋外展示場では、空自1高射群2高射隊(神奈川・武山分屯基地)がペトリオット対空ミサイル(PAC2)システム一式を展示。都心でのこの初公開は、石原都知事の「首都東京を守る空自高射部隊を広く国民に知ってもらうべき」との考えから特別に要請されたもので、PAC2発射機、レーダー装置、射撃管制装置、アンテナ、電源車からなるシステム一式が持ち込まれ、初日の17日に限り展示された。 同日午後には会場に石原東京都知事も訪れ、首都の治安維持に直結するさまざまな最新装備を熱心に見て回った。 |
「危機管理産業展」を同時開催 危機に強い都市へ 佐々氏ら基調討論 |
![]() 危機管理産業展入口の自衛隊広報用ブースで、訪れた人がイラク派遣隊員装備を試着するのを手助けする陸自女性隊員(写真はいずれも10月17日、東京ビッグサイトで) |
「危機管理産業展」開会式には防衛省・自衛隊を代表して菊川空幕副長が出席、都や政府治安機関代表とともにテープカットした。山口都副知事はあいさつで、「危機に強い都市づくりは行政・住民だけでは不十分。産業界の支援が必要」と述べ、自治体の危機管理行政には民間のアイデアや先進技術が必要なことを強調した。 同展には国内外317社が最新のリスクマネジメントや防災、防犯分野のさまざまな製品を出展、3日間の会期中、行政機関や企業関係者など約7万6000人が来場した。 初日に行われた基調トークセッションでは、「危機管理から日本の将来を語る」と題し、佐々淳行元内閣安全保障室長、手嶋龍一元NHKワシントン支局長、志方俊之帝京大教授・東京都参与(元陸自北方総監)の3氏による討論が行われた。 佐々氏は「日本の国家安全保障を確立するには、防衛・防災・防犯・防疫を一本化することが必要。そして情報と意思決定部門を政府内に統合させることが望ましい」と力説した。 手嶋氏は、日米政府の北朝鮮に対するスタンスにずれが生じ、「日米同盟に空洞化が起きている」と警鐘、「米国は北朝鮮の核武装を容認する方向に傾きつつある。東アジアで米国は力を失いつつあり、日本は危機管理を米国に頼らずにやらねばならなくなっている」と指摘。 また、民主党の小沢党首が主張する日本の安全保障を国連に委ねるという考え方には、「(自衛隊を国連の)傭兵とする危険すらある」とし、佐々氏も「日本に対する敵国条項が残る国連に常任理事国入りもせず自衛隊を任せたら、“使いやすい部隊”としてあちこちに行かされ、大変なことになる」と述べた。 さらに佐々氏は「北朝鮮の核を巡る今回の6カ国協議で、朝鮮半島のヘゲモニー(覇権)は名実共に中国に渡り、米国はそれを認めた。我々の将来の脅威は統一された、反日の、核武装した朝鮮半島となるだろう。米国のこの背任行為を受け、日本はミサイル攻撃への対処を急ぐことが必要。飛来したミサイルはすべて撃ち落とすとの決意でPAC3、SM3の整備を進めることが急務」と訴えた。 最後に志方氏が「日本の危機管理は情報とモノに頼る面が多い。高い科学技術で安全を確保するためのインテリジェント・システムを整備していくことが日本らしいやり方」と締めくくった。 |