「朝雲」グラフ特集

「でかい!」と見学者
海自最大艦「ひゅうが」注目の進水


 進水式を迎えた海自最大艦の16DDHと、その巨体を見上げる見学者ら(写真はいずれも8月23日、横浜市のアイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッド横浜工場で)


 「ひゅうが」のアイランド(上部構造)部。前後左右にフェーズド・アレイ・レーダーを装備、高い指揮・通信能力も大きな特徴だ


 「ひゅうが」の完成予想図。“ヘリ空母”を思わせる全通甲板上には、3機の哨戒ヘリが描かれている


 進水式で小池大臣による「ひゅうが」の命名書を読み上げる木村副大臣(中央)


21年3月就役、護艦隊旗艦に


海自待望の1万3500トン型ヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」が8月23日、異例ともいえる4000人もの人々が見守る中で進水した。補給艦「ましゅう」型と並ぶ海自最大級の新型護衛艦は、「ヘリ空母」のような全通甲板が特徴で、その艦形、ヘリの運用能力などが計画段階から注目を浴びていた。
「ひゅうが」の艦名の由来は現在の宮崎県に当たる「日向国」。「古事記」や「日本書紀」では「日向国」を神武天皇東征の出発地と伝えていることから、日向地方は日本海軍発祥の地とされ、宮崎県日向市美々津には海軍発祥の記念碑が築かれている。
同名艦には旧海軍の「伊勢」型戦艦の2番艦「日向」がある。「日向」は大正7年に竣工、関東大震災では東京湾に急行し、品川で救援活動に従事した。後に航空戦艦に改装、太平洋戦争で活躍したものの、昭和20年7月、呉港外で米艦載機の爆撃を受けて大破した。海自では初めての艦名だ。
注目の大型艦だけに、命名・進水式の行われたアイ・エイチ・アイ・マリンユナイテッド横浜工場でも、進水式にふさわしい演出を用意。シャンペン、くす玉はもちろん、紙テープや風船、花火、さらには鳩まで放つ演出で「ひゅうが」進水を祝った。
埼玉・蕨市から見学に来たという橋本哲一さん(56)は「でかいですねえ」と目を丸くしながら、「海外派遣の場でも、ヘリ運用能力にすぐれたこういうフネは必要じゃないかと思っていた」と話す。
東京・江戸川区から訪れた同じく中川貴之さん(55)も「16DDHの情報は以前から集めていた。とにかく実物を見たかったので、感激している。“ヘリ空母”といわれるだけあって、さすがに大きい」。
また、埼玉・春日部市の川添学さん(46)も「写真を撮ったが、大きすぎてカメラのフレームに収まらない。いつか体験航海で乗ってみたい」と話していた。
「ひゅうが」は平成21年3月に完成後、護衛艦隊旗艦として就役する予定。
 ◇「ひゅうが」主要目▽基準排水量=1万3500トン▽全長=197メートル▽最大幅=33メートル▽深さ=22メートル▽喫水=7メートル▽主機=COGAG形式ガスタービン4基2軸▽軸馬力=10万馬力▽速力=約30ノット▽主要装備=高性能20ミリ機関砲(CIWS)2基、VLS装置1式、水上発射管2基、哨戒ヘリコプター3機、掃海・輸送ヘリコプター1機(必要に応じて)▽乗員約340人。