「朝雲」グラフ特集

転地訓練たけなわ
海空も支援 列島縦断の長距離機動
北へ 8師団基幹
南へ 20、27普連

陸自部隊を国内の遠隔地に緊急展開させる「19年度協同転地演習」は現在、北方転地訓練の8師団(司令部・北熊本)約3250人、車両1000両が北海道・矢臼別演習場に機動展開し、火砲の長射程射撃や師団規模演習を実施。一方、北海道・東北から東海方面に機動する南方転地訓練は、6師団(同・神町)担任の1次訓練が7月14日に終了、5旅団(同・帯広)担任の2次訓練が同11日から始まっている。


 海自輸送艦「くにさき」のエアクッション艇から上陸する12普連隊員(7月9日、北海道・浜大樹揚陸訓練場で)


 エアクッション艇で上陸、本隊や掩護にあたる5旅団隊員と連絡をとる完全武装の12普連隊員(7月9日、北海道・浜大樹揚陸訓練場で)

 エアクッション艇から揚陸、“敵”に砲塔を向けながら集結場所に向かう8戦車大隊の74式戦車(7月9日、北海道・浜大樹揚陸訓練場で)
 8師団は7月上旬、警備区域の南九州地方が台風4号で大きな被害を出したため、北方機動と災害派遣という「2正面」作戦に臨んだ。
転地訓練には師団主力の12(国分)、24(えびの)、42(北熊本)、43(都城)各普通科連隊のほか、特科、戦車、ヘリ部隊など人員約3250人が参加。機動訓練では長駆1000キロ以上を車両と海自輸送艦、民間フェリー、空自C1輸送機、民航機などを利用して北海道へ。7月9日には鹿児島から海自輸送艦「くにさき」で北海道入りした12普連(国分)が同艦のエアクッション艇で道東・十勝の浜大樹揚陸演習場に上陸、8戦大(玖珠)の74式戦車なども次々に揚陸された。
揚陸演習には地元・5旅団5対舟艇対戦車中隊など127人が支援に当たり、揚陸時の警備や通信回線構成などでサポートした。
また、十勝沖の「くにさき」からは同艦で運ばれた8飛行隊(高遊原)のUH1多用途ヘリが発艦して陸上部隊よりも一足先に矢臼別に向かった。
矢臼別にはこのほか火砲14門、戦車26両も次々に到着、九州地区では出来ない長射程射撃や師団規模の訓練を20日まで実施。その後、部隊は再び各種移動手段で8月4日までにそれぞれの原隊に戻る。

 山形から静岡に機動、ゲリラ・コマンド掃討訓練を行う20普連隊員(7月上旬、東富士演習場で)

 荷台に機関銃座を据え、パトロールする20普連の高機動車(7月上旬、東富士演習場で)


  第2次南方転地訓練で、横須賀に向かう「くにさき」に乗艦する27普連隊員(7月12日、北海道・十勝港で)

 一方、南方転地の第1次訓練は7月2日から同14日まで、6師団20普連(神町)基幹の隊員約1000人、車両約250両、航空機2機が参加し行われた。部隊は山形から車両で静岡・東富士演習場に展開。一部は空自C1輸送機で移動し、東富士では大規模市街地戦闘訓練場を使用して中隊規模の対ゲリラ・コマンド掃討訓練などを実施した。
続く2次転地訓練は同11日に始まり、5旅団27普連(釧路)基幹の人員約300人、車両約90両、航空機2機が参加、うち人員約190人と車両45両は海自輸送艦「くにさき」で十勝港から横須賀新港まで移動、その後、車両で東富士入りした。訓練は24日まで続く。