防衛関係資料


 

武力攻撃事態関連 3法案(防衛庁所管)の整備概要

武力攻撃事態対処法に関連する防衛庁所管の3法案について、2月24日、国民保護法制整備本部に報告された法整備の目的や概要は次の通り。

武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制

 1 目的
 ○武力攻撃事態に際して、我が国領海又は我が国周辺の公海における外国軍用品等の海上輸送を規制するため、防衛出動を命ぜられた海上自衛隊の部隊が実施する停船検査及び回航措置の手続並びに防衛庁に設置する外国軍用品審判所における審判の手続等を定め、もって我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。
 2 外国軍用品等の海上輸送の規制措置の内容
 ○防衛庁長官は、我が国領海又は我が国周辺の公海において外国軍用品及び外国軍隊等の構成員(「外国軍用品等」)の海上輸送を規制する必要があると認めるときは、防衛出動を命ぜられた海上自衛隊の部隊に、停船検査及び回航措置を命ずることができることとし、そのために必要な規定を整備する。
 ○停船検査を実施する区域の定め、関係機関等に対する周知措置に係る規定を整備する。
 ○外国軍用品及びそれを輸送する船舶に係る規制措置について必要な規定を整備する。
 ・大量破壊兵器に該当する積荷は、廃棄の措置をとる。
 ・鉄砲等の武器、弾薬等に該当する積荷は、輸送停止の措置をとる。
 ・外国軍用品等の海上輸送を反復して行う可能性のある船舶については、航行停止の措置をとる。
 3 停船検査及び回航措置
 ○外国軍用品等を輸送している疑いのある船舶が実施区域を航行しているときは、当該船舶を停止させ、積荷等の検査を行うことについて必要な規定を整備する。
 ○船舶の停船検査後、当該船舶が外国軍用品等を輸送していると認める場合等には、積荷の引渡しを求めることができることや当該船舶を我が国の港に回航させることについて必要な規定を整備する。
 ○船舶を我が国の港に回航したときは、速やかに、当該船舶及び積荷を外国軍用品審判所に送致することについて必要な規定を整備する。
 ○停船措置等の実効性確保のために、合理的に必要な限度で自衛官による武器の使用を認めることとし、そのために必要な規定を整備する。
 4 外国軍用品審判所
 ○防衛庁に、船舶又は積荷の取扱いについて審判等を行う機関として、臨時に、外国軍用品審判所を置くこととし、その所掌事務その他必要な規定を整備する。
 ○外国軍用品審判所は、送致された船舶、積荷等の調査を行うことができることとし、そのための積荷の留置、船舶の立入検査等の権限を整備する。
 5 審判手続、審決及び審決の執行
 ○外国軍用品審判所は、調査の結果、審判の必要があると認めるときは、審判を開始する旨の決定をすること、審判開始決定をしたときはその旨を公告することその他審判の手続について必要な規定を整備する。
 ○外国軍用品審判所による審判における利害関係者による意見陳述等について必要な規定を整備する。
 ○外国軍用品審判所による廃棄、輸送停止又は航行停止の審決の実施、審決の効力発生時期、審決の執行について必要な規定を整備する。
 6 補償
 ○補償について必要な規定を整備する。
 7 罰則
 ○審判所による証拠の取調において宣誓した参考人等が虚偽の陳述をした場合、審判所による船舶への立入検査を妨害した場合に係る罰則について必要な規定を整備する。

武力攻撃事態における捕虜等の取扱い

 1 目的
 ○武力攻撃事態における捕虜等(捕虜、衛生要員等をいう。)の拘束、抑留その他の取扱いに関し必要な事項を定めることにより、武力攻撃を排除するために必要な自衛隊の行動が円滑かつ効果的に実施されるようにするとともに、武力攻撃事態において捕虜の待遇に関する1949年8月12日のジュネーヴ契約(以下「第3条約」という。)その他の捕虜等の取扱いに係る国際人道法の的確な実施を確保することを目的とする。
 2 総則
 ○捕虜等の人道的な待遇の確保、捕虜等の生命、身体、健康及び名誉を尊重し、これらに対する侵害又は危難から常に保護すること、その他捕虜等の取扱いに係る国の責務等を定める。
 3 拘束及び抑留資格認定の手続
 ○捕虜等の拘束、資格の確認等に関する手続、権限その他必要な規定を設ける。
 ・敵国軍隊等の構成員その他本法制の対象となる捕虜等の範囲を定める。
 ・防衛出動を命じられた自衛隊の自衛官が、武力攻撃が発生した事態において、捕虜等の資格を有することを疑うに足りる相当の理由があると判断する者を拘束することができる権限を整備する。
 ・拘束された者について、連隊長・艦長等に引き渡しの後、方面総監等に後送の上、捕虜等の資格を認定するために必要な手続を規定する。
 4 捕虜収容所における抑留及び待遇
 ○捕虜等の抑留その他の業務を行うため、三自衛隊の共同の機関として、臨時に、捕虜収容所(仮称)を置くことができることとし、その所掌事務その他必要な規定を整備する。
 ○捕虜等を常に人道的に待遇するため、第3条約その他の国際人道法の規定に従い、営舎、食糧、被服、衛生、医療その他必要な規定を設ける。
 ・捕虜等に対し、捕虜収容所(仮称)における日常生活に必要な食事、衣服、日用品等の提供に係る規定を設ける。
 ・捕虜等の保護のため、捕虜等の同一国籍の衛生要員による捕虜に対する医療活動を実施し得るよう、必要な特例措置等を設ける。
 ・捕虜収容所(仮称)内における捕虜の業務従事に係る制度を設ける。
 ・捕虜等に対し、抑留の円滑化・効率化に資するために給付金を支給することができる制度を設ける。
 ・捕虜等の通信の発受に関し、所要の規定を設ける。
 ○捕虜等の規律違反に対する懲戒制度を整備する。
 5 審査請求
 ○捕虜等の資格認定及び抑留中の懲戒処分に対する不服申立てを審理するための捕虜資格認定等審査会(仮称)を防衛庁に臨時に設置すること、及びその審理手続等について必要な規定を設ける。
 6 抑留の終了
 ○捕虜等の送還に関し必要な規定を設ける。
 7 補足
 ○捕虜等の拘束及び抑留業務の目的達成に必要な範囲で、自衛官による武器の使用権限を整備する。
 ○捕虜等が逃走した場合の再拘束の権限並びにそのために必要な調査及び土地等への立入りに関する規定を設ける。
 ○捕虜等の所持品の領置に係る規定を設ける。
 ○重傷病捕虜等の送還の決定や捕虜の一般的な医療に関与し得る、独立した委員の任命その他必要な業務に関する規定を設ける。
 ○その他所要の特例措置等に係る規定を整備する。
 8 罰則
 ○敵国の衛生要員等について医療活動に関する守秘義務違反に係る罰則を整備する。

自衛隊法の一部改正

 1 目的
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(ACSA)の改正に伴い、自衛隊法上必要な改正を実施する。
 2 物品・役務の提供権限の整備
 次に掲げる合衆国軍隊に対する物品・役務の提供権限を新設する。
 (1)自衛隊が災害派遣を行っている現場において、政府の要請に基づき災害応急対策のための活動を行う合衆国軍隊
 (2)自衛隊が在外邦人等の輸送を行っている現場において、当該輸送と同種の活動を行う合衆国軍隊
 (3)訓練その他の目的のため、航空機、船舶又は車両により本邦内の自衛隊施設に到着して一時的に滞在する合衆国軍隊
 (注)武力攻撃事態等における合衆国軍隊に対する物品・役務の提供権限については、「武力攻撃事態等におけるアメリカ合衆国の軍隊の行動に伴い我が国が実施する措置に関する法律」において措置(附則により自衛隊法の一部を改正)。
 3 手続にかかる規定の整備
 武力攻撃事態等における合衆国軍隊に対する物品・役務の提供等、日本国の法律に基づく物品・役務の提供に係る決済等の手続について、基本的にACSAに定めるところによるとの規定を整備する。