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防衛関係資料 |
| 弾道ミサイル防衛システムの整備等について 15年12月19日 安保会議・閣議決定 |
(弾道ミサイル防衛システムの整備について) 1 弾道ミサイル防衛(BMD)については、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散の進展を踏まえ、我が国として主体的取組が必要であるとの認識の下、「中期防衛力整備計画(平成13年度〜平成17年度)」(平成12年12月15日安全保障会議及び閣議決定。以下「現中期防」という。)において、「技術的な実現可能性等について検討の上、必要な措置を講ずる」こととされているが、最近の各種試験等を通じて、技術的な実現可能性が高いことが確認され、我が国としてのBMDシステムの構築が現有のイージス・システム搭載護衛艦及び地対空誘導弾ペトリオットの能力向上並びにその統合的運用によって可能となった。このようなBMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対して我が国国民の生命・財産を守るための純粋に防御的な、かつ、他に代替手段のない唯一の手段であり、専守防衛を旨とする我が国の防衛政策にふさわしいものであることから、政府として同システムを整備することとする。 (我が国の防衛力の見直し) 2 我が国をめぐる安全保障環境については、我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下する一方、大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散の進展、国際テロ組織等の活動を含む新たな脅威や平和と安全に影響を与える多様な事態(以下「新たな脅威等」という。)への対応が国際社会の差し迫った課題となっており、我が国としても、我が国及び国際社会の平和と安定のため、日米安全保障体制を堅持しつつ、外交努力の推進及び防衛力の効果的な運用を含む諸施策の有機的な連携の下、総合的かつ迅速な対応によって、万全を期す必要がある。このような新たな安全保障環境やBMDシステムの導入を踏まえれば、防衛力全般について見直しが必要な状況が生じている。 このため、関係機関や地域社会との緊密な協力、日米安全保障体制を基調とする米国との協力関係の充実並びに周辺諸国をはじめとする関係諸国及び国際機関等との協力の推進を図りつつ、新たな脅威等に対して、その特性に応じて、実効的に対応するとともに、我が国を含む国際社会の平和と安定のための活動に主体的・積極的に取り組み得るよう、防衛力全般について見直しを行う。その際、テロや弾道ミサイル等の新たな脅威等に実効的に対応し得るなどの必要な体制を整備するとともに、本格的な侵略事態にも配意しつつ、従来の整備構想や装備体系について抜本的な見直しを行い適切に規模の縮小等を図ることとし、これらにより新たな安全保障環境に実効的に対応できる防衛力を構築する。 上記の考え方を踏まえ、自衛隊の新たな体制への転換に当たっては、即応性、機動性、柔軟性及び多目的性の向上、高度の技術力・情報能力を追求しつつ、既存の組織・装備等の抜本的な見直し、効率化を図る。その際、以下の事項を重視して実効的な体制を確立するものとする。 (1)現在の組織等を見直して、統合運用を基本とした自衛隊の運用に必要な防衛庁長官の補佐機構等を設ける。 (2)陸上、海上及び航空自衛隊の基幹部隊については、新たな脅威等により実効的に対処し得るよう、新たな編成等の考え方を構築する。 (3)国際社会の平和と安定のための活動を実効的に実施し得るよう、所要の機能、組織及び装備を整備する。 (4)将来の予測し難い情勢変化に備えるため、本格的な侵略事態に対処するための最も基盤的な部分は確保しつつも、我が国周辺地域の状況等を考慮し、 ア 陸上自衛隊については、対機甲戦を重視した整備構想を転換し、機動力等の向上により新たな脅威等に即応できる体制の整備を図る一方、戦車及び火砲等の在り方について見直しを行い適切に規模の縮小等を図る。 イ 海上自衛隊については、対潜戦を重視した整備構想を転換し、弾道ミサイル等新たな脅威等への対応体制の整備を図る一方、護衛艦、固定翼哨戒機等の在り方について見直しを行い適切に規模の縮小等を図る。 ウ 航空自衛隊については、対航空侵攻を重視した整備構想を転換し、弾道ミサイル等新たな脅威等への対応体制の整備を図る一方、作戦用航空機等の在り方について見直しを行い、適切に規模の縮小等を図る。 (経費の取り扱い) 3 BMDシステムの整備という大規模な事業の実施に当たっては、上記2に基づく自衛隊の既存の組織・装備等の抜本的な見直し、効率化を行うとともに、我が国の厳しい経済財政事情等を勘案し、防衛関係費を抑制していくものとする。このような考え方の下、現中期防に代わる新たな中期防衛力整備計画を平成16年末までに策定し、その総額の限度を定めることとする。 (新たな防衛計画の大綱の策定) 4 新たな中期防衛力整備計画の策定の前提として、新たな安全保障環境を踏まえ、上記1及び2に述べた考え方に基づき、自衛隊の国際社会の平和と安定のための活動の位置付けを含む今後の防衛力の在り方を明らかにするため、「平成8年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成7年11月28日安全保障会議及び閣議決定)に代わる新たな防衛計画の大綱を前もって策定する。 内閣官房長官談話 1 政府は、本日、安全保障会議及び閣議において、「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」を決定いたしました。本決定は弾道ミサイル防衛(BMD)システムの導入の考え方を明らかにするとともに、BMDシステムの導入や新たな安全保障環境を踏まえた我が国の防衛力の見直しの方向性を示すものであります。政府としては、本決定に基づき、平成16年末までに新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を策定することとしております。 2 政府は、大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散が進展している状況の下、BMDシステムについて、近年関連技術が飛躍的に進歩し、我が国としても技術的に実現可能性が高いと判断し、また、BMDが専守防衛を旨とする我が国防衛政策にふさわしいものであることを踏まえ、我が国としてイージスBMDシステムとペトリオットPAC―3による多層防衛システムを整備することとしました。 3 BMDシステムの技術的な実現可能性については、米国における迎撃試験や各種性能試験等の結果を通じて、また、我が国独自のシミュレーションによっても、確認されています。したがって、これらのシステムは技術的信頼性が高く、米国も初期配備を決定したことなどにもみられるように、その導入が可能な技術水準に達しているものと判断されます。 4 BMDシステムは、弾道ミサイル攻撃に対し、我が国国民の生命・財産を守るための純粋に防御的な、かつ、他に代替手段のない唯一の手段として、専守防衛の理念に合致するものと考えております。したがって、これは周辺諸国に脅威を与えるものではなく、地域の安定に悪影響を与えるものではないと考えております。 5 集団的自衛権との関係については、今回我が国が導入するBMDシステムは、あくまでも我が国を防衛することを目的とするものであって、我が国自身の主体的判断に基づいて運用し、第三国の防衛のために用いられることはないことから、集団的自衛権の問題は生じません。なお、システム上も、迎撃の実施に当たっては、我が国自身のセンサでとらえた目標情報に基づき我が国自らが主体的に判断するものとなっています。 6 BMDシステムの運用にかかる法的な考え方としては、武力攻撃としての弾道ミサイル攻撃に対する迎撃は、あくまでも武力攻撃事態における防衛出動により対応することが基本です。なお、弾道ミサイルの特性等にかんがみ、適切に対応し得るよう、法的措置を含む所要の措置を具体的に検討する考えです。 7 現在実施中の日米共同技術研究は、今回導入されるシステムを対象としたものではなく、より将来的な迎撃ミサイルの能力向上を念頭においたものであり、我が国の防衛に万全を期すためには引き続き推進することが重要です。なお、その将来的な開発・配備段階への移行については、今後の国際情勢等を見極めつつ、別途判断を行う考えです。 8 我が国としては、BMDについて、今後とも透明性を確保しつつ国際的な認識を広げていくとともに、米国とも技術面や運用面等において一層の協力を行い、我が国の防衛と大量破壊兵器及び弾道ミサイルの拡散の防止に万全を期すべく努めていく所存です。 |