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本日、自衛隊高級幹部会同を開催するに当たり、自衛隊の中枢幹部である諸官に対し、私の所信の一端を申し述べます。
はじめに、諸官ご承知のとおり、今後の政治日程は与党や国会における議論を待たなければならない状況にあります。しかしながら、国の防衛は、国民にとって不可欠なものであり、一時としてゆるがせにはできません。幹部諸官においては、任務の重要性に思いをいたし、隊員の士気を喚起しつつ職務に邁進されることを要望します。
国防という崇高な任務を考えるとき、昨年来明らかになった様々な不祥事や事故により、防衛省・自衛隊に対する国民の信頼が大きく揺らいでいることは極めて深刻な事態であります。防衛省としては、防衛省改革会議報告書に示された様々な提言を実現するため、先般、「防衛省改革の実現に向けての実施計画」を取りまとめ、公表したところです。
私としても、この省改革の実現に向けての真摯な取組が国民の信頼回復の源泉となるものと確信しており、省改革を通じ隊員一人一人が誇りを持って元気に任務に邁進できる、精強な防衛省・自衛隊を作るため、全力で取り組んで行きたいと考えております。
一方で、我が国を取り巻く安全保障環境は、冷戦の終結、そして米国同時多発テロ以降、従来とは異なるものとなっております。
我が国は、領土問題等の伝統的な国家間関係から大量破壊兵器等の拡散や国際テロなどの新たな脅威や多様な事態に至るまで、さまざまな課題に直面しております。また、北朝鮮の核やミサイル問題など、周辺の安全保障環境は引き続き厳しいものがあります。
このような課題に適切に対処するためには、まず、我が国自身の防衛力の整備を着実に進めることと相まって、日米安全保障体制及びそれを基調とする米国との関係を、一層緊密にして行かねばなりません。
そのためには、在日米軍再編の「ロードマップ」の着実な実施や弾道ミサイル防衛に関する協力、「役割・任務・能力」の検討など、日米間の協力を一層具体化、着実化していくことが重要であると考えます。
在日米軍の再編は、安全保障環境の変化に的確に対応し、抑止力を維持するとともに、関係地方公共団体や地元の方々の負担軽減を図るものであり、地元の声に真摯に耳を傾けながら、これを着実に進めていくことが必要です。
また、弾道ミサイル防衛については、米国と緊密に連携しつつ、国民の生命、財産を守るため、その能力の着実な強化を進めていく必要があります。
次に、国際社会が取り組む平和と安定のための努力に対し、その一員である我が国として責任ある役割を果たしていくことが重要であります。特に資源の多くを他国に依存する日本にとって、国際社会の平和と安定が、我が国の繁栄に密接に結びついていることも忘れてはなりません。
現在も、中東やインド洋において自衛隊の部隊が国際平和協力活動を実施しています。これらの活動は、自衛隊以外では為し得ないものであり、我が国が「平和協力国家」として、国際社会共通の重要課題である中東の平和と安定や「テロとの闘い」に取り組む上で、重要な役割を果たしてきました。
とりわけ、インド洋における補給支援活動については、来年1月に法律の期限を迎えます。今後の取り組みについては、国民のご理解をいただいた上で、我が国として主体的に判断していかなければなりません。
今後とも、活動の意義について、幅広く国民にご理解を頂くため、一層尽力していく必要があると考えております。
国内においては、テロや大規模災害などの様々な緊急事態に、より迅速かつ的確に対応できるよう、危機管理体制を一層強化しなければなりません。
特に各種自然災害への自衛隊の迅速な対応に対しては、国民の期待も大変高いものがあります。自衛隊に対する国民の信頼に応えられるよう、今後とも、より一層の取り組みを進めていただきたいと思います。
また、我が国の隣国である中国・韓国や、アジア太平洋地域の重要なパートナーであるオーストラリアを始めとする二国間の防衛交流、あるいは防衛省による国際会議の主催など、多国間の安全保障対話を進め、関係各国との間で信頼醸成の強化を図ることは、アジア太平洋地域を含む世界の平和と安定にとって重要であります。今後とも、日米同盟を軸にしつつ、近隣の国々、さらにはNATOとの防衛交流に主体的・積極的に取り組む必要があります。
最後になりますが、防衛省・自衛隊は、国の防衛という国家存立の基本にかかわる崇高な任務を担っており、国の独立と平和を守るのは、この組織以外にはありません。
自衛隊の中枢幹部である諸官が、隊員の先頭に立って、我が国の平和と安全、さらには、世界の平和と安定を確立するため、一層任務に精励されることを強く要望して、私の訓示とします。
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