防衛関係資料


 

18年度業計 主な内容

 防衛庁は8月31日、平成18年度の業務計画と概算要求をまとめ、同日、財務省に提出した。このうち、防衛力整備主要事項等の基本方針9項目と主要装備・組織編成などに分類された18年度業計の主な内容は次の通り。(◎は新規事業・装備、予算額は契約ベース)

 【基本方針1関連】
 ◇弾道ミサイル防衛(BMD)に係る諸施策の推進(1500億円=17年度は1198億円)
 イージス艦、ペトリオットの能力向上を引き続き進めるとともに、弾道ミサイルの探知・追尾能力を有する警戒管制レーダーなどのセンサーの整備に着手。海上配備型上層システムに係る日米共同技術研究は、これまでの研究成果を踏まえ、開発段階へ移行する。
 (1)BMDシステムの整備(1463億円)
 ▽海上配備型上層ウェポンシステム=イージス・システム搭載護衛艦の能力向上(1隻=18年度は3隻目)。SM3ミサイルの取得。SM3ミサイルの発射試験。
 ▽地上配備型下層ウェポンシステム=地対空誘導弾ペトリオットの能力向上(1個高射群分)(18年度は3個高射群分目=うち1個高射群相当分は教育所要)。PAC3ミサイルの取得。
 ▽センサー=◎新たな警戒管制レーダー(FPS―XX)の整備。◎FPS3改の能力向上、◎FPS―XX試作機活用による運用研究。
 ▽指揮統制・通信システム=戦術データ交換システム(TDS)の整備。
 (2)将来のBMDシステムに関する研究開発等(38億円)
 ▽日米共同開発等=◎海上配備型上層システムの能力向上型迎撃ミサイルに関する日米共同開発。艦載型対空レーダー及び戦闘指揮システムの能力向上に係る日米共同研究。多国間BMDカンファレンス(会議)への参加。

 ◇ゲリラや特殊部隊による攻撃等への対応(921億円=17年度は841億円)
 沿岸部等の警戒監視、侵入した特殊部隊等の捜索、捕獲・撃破、重要施設防護等の各能力の向上を図るため、各種機能、訓練施設等の充実を図る。また、核・生物・化学兵器による攻撃への対処能力の向上を図る。
 (1)ゲリラや特殊部隊による攻撃等への対処(806億円=17年度765億円)
 ▽沿岸部等における警戒監視・情報収集=移動監視レーダー等の整備。◎広域用監視装置の整備。
 ▽侵入したゲリラや特殊部隊の捜索、重要施設等の防護=各種車両、ヘリコプター、無線機の整備。重要施設防護のための訓練の実施。
 ▽侵入したゲリラや特殊部隊の捕獲・撃破=都市型の訓練施設の整備、米国における実動訓練。◎新近距離監視装置の整備。
 ▽警察との連携の強化=治安出動に係る警察との共同訓練。
 (2)核・生物・化学兵器による攻撃への対処(115億円=17年度76億円)
 ▽予防=天然痘ワクチンの整備。
 ▽検知・同定=生物偵察車及び生物剤警報器の整備、NBC偵察車の開発。
 ▽防護=化学防護車、個人用防護装置、部隊用防護装置の整備。
 ▽診断・治療=◎生物剤対処用衛生ユニットの整備。
 ▽除染=除染車、除染装置等の整備。
 ▽人材育成=各種事態への対応のための訓練(NBC防護訓練)

 ◇周辺海域における潜水艦及び武装工作船への対応(86億円=17年度は76億円)
 我が国の領水内を潜没航行する外国潜水艦を探知・識別・追尾し、我が国の意思を表示する能力の整備・向上及び浅海域における潜水艦対処能力の維持・向上を図る。また、引き続き武装工作船への対処能力の向上を図る。
 (1)潜水艦への対応(58億円=17年度は35億円)
 ▽潜水艦の探知・識別・追尾に係る能力強化=◎P3C用バイスタティック信号処理装置等の整備、◎P3C用改善型ダイファーブイの整備。
 ▽領水内潜没潜水艦への意思表示能力の整備=◎対潜モールス弾の研究。
 ▽浅海域における潜水艦対処能力の維持・向上=新対潜用短魚雷の開発。
 (2)武装工作船への対応(28億円=17年度41億円)
 ▽航空機の情報伝送能力の強化。
 ▽小型水上船舶に対する射撃能力の向上。
 ▽特別警備隊の即応態勢の維持・強化。

 ◇大規模・特殊災害等への対応(812億円=17年度は718億円)
 大規模・特殊災害等に適切に対処し得る態勢を整備する。
 (1)情報収集・伝達態勢の整備
 ▽ヘリコプター映像伝送装置の整備▽野外無線機等通信器材の整備。
 (2)救出・救難態勢の整備
 ▽救難飛行艇(US2)の整備▽救難ヘリコプター(UH60J)の整備▽人命救助システムの整備。
 (3)人員・物資の輸送態勢の整備
 ▽輸送ヘリコプター(CH47J)の整備。
 (4)生活支援・障害除去等の態勢の整備
 ▽浄水セット、野外炊具等の整備。
 (5)特殊災害への対応態勢の整備(化学防護部隊の充実)
 ▽化学防護車、除染車の整備。
 (6)災害派遣時の対処能力を高める措置
 ▽地誌等の整備▽派遣地域への進出・展開訓練、都市型災害対処訓練、風水害対処訓練などの災害派遣訓練▽原子力災害などの自然災害以外の災害に対応する集合訓練。

【基本方針2関連】
 防衛庁長官の補佐体制の充実・強化等を図るため、防衛参事官制度の見直しや内部部局、取得管理組織、地方組織等の改編を行う。

 ◇内部部局等の改編
 (1)防衛参事官制度の見直し
 ▽技術・衛生担当の防衛参事官を廃止、◎長官官房に衛生監(仮称)及び技術監(仮称)を新設。
 (2)内部部局の改編
 ▽防衛庁長官に対する補佐体制を充実・強化するとともに、地方との協力関係をより一層緊密にするため、◎内部部局を改編。

 ◇地方組織の改編
 ▽陸上自衛隊方面総監部の改編、◎政策補佐官(仮称)及び地域連絡調整課(仮称)の新設。
 ▽各都道府県における自衛隊地方連絡部の◎自衛隊地方本部(例:自衛隊東京本部)への名称変更及び◎国民保護・災害対策連絡調整官(仮称)の新設。

 ◇取得管理組織の改編
 ▽装備品のライフサイクルを見据えた取得を実施し得る体制への改革を推進するため、内部部局の原価計算機能、契約本部、技術研究本部の開発管理機能等を統合し、◎装備本部(仮称)を新設。約1050人。
 ▽技術研究本部の機能を充実・強化するため、◎先進技術推進センター(仮称)を新設するとともに、装備体系別による研究所の再編等を実施。

【基本方針3関連】
 国際平和協力活動を積極的に推進するための体制を整備するとともに、安全保障対話・防衛交流等を推進する。また、国際社会の軍備管理・軍縮分野への努力に対し、積極的に貢献するほか、拡散に対する安全保障構想(PSI)に取り組む。

 ◇国際平和協力業務等の積極的推進
 ▽◎国際活動教育隊(仮称)の新編▽国際平和協力活動に資する装備品等の充実▽国際平和協力業務等に関する教育訓練、広報等の推進。

 ◇安全保障対話・防衛交流の推進
 (1)政策的交流
 ▽関係諸国との防衛首脳級、次官級及び防衛当局実務者級の協議・意見交換の実施▽統幕スタッフトークスなどの各自衛隊等の防衛実務担当者級の協議・意見交換の実施。
 (2)部隊間交流等
 ▽西太平洋掃海訓練への参加▽◎P3Cのオーストラリア訪問及び訓練。
 (3)多国間対話
 ▽アジア・太平洋地域防衛当局者フォーラム及び同分科会の開催▽アジア・太平洋諸国安全保障セミナーの開催。

 ◇軍備管理・軍縮分野における取組
 ▽特定通常兵器使用禁止・制限条約(CCW)関連会合への参加▽対人地雷禁止条約(オタワ条約)関連会合への参加。

 ◇大量破壊兵器の拡散阻止への取組
 ▽拡散に対する安全保障構想(PSI)関連会合及び阻止訓練への参加

【基本方針4関連】
 新たな脅威や多様な事態等に実効的に対応し得るよう、統合運用態勢の充実を図る。

 ◇統合訓練の実施
 ▽◎自衛隊統合演習(指揮所)の実施▽自衛隊統合防災演習(指揮所・実動)の実施▽◎国際平和協力演習(指揮所)の実施▽日米共同統合演習(指揮所)の実施▽多国間訓練(コブラゴールド)への参加▽◎海外における統合訓練用演習場に関する調査。

 ◇統合運用基盤の充実
 ▽◎弾道ミサイル対処用緊急伝達システムの整備▽◎統合電波管理業務支援装置の整備。

【基本方針5関連】
 情報機能の強化を図るため、情報収集・分析体制の充実強化を図るとともに、各種情報収集器材・装置の充実を図る。また、統合運用や国際平和協力活動の円滑な遂行等に資する情報通信態勢の構築を推進する。

 ◇情報機能の強化
 (1)情報収集・分析体制の強化
 ▽情報本部の要員の増強(画像・地理部、電波部等)▽情報収集器材・装置の充実。
 (2)海上及び航空自衛隊の情報保全隊の要員の増強
 (3)◎滞空型無人機の運用のあり方に関する調査研究

 ◇より高度な情報通信態勢の構築(2004億円=17年度は2115億円)
 (1)指揮命令ラインの情報集約・伝達の充実
 ▽コンピュータ・システム共通運用基盤(COE)の整備▽中央指揮システムの充実▽航空自衛隊の指揮システムの整備▽基幹連隊指揮統制システム及び師団等指揮システムの整備▽統幕への電報システムの整備。
 (2)部隊レベルの情報共有の推進
 ▽海上作戦部隊IP通信基盤(MII)の整備▽ヘリコプター映像伝送装置等の整備。
 (3)サイバー攻撃対処態勢の構築
 ▽システム保全管理機能の充実▽情報セキュリティ要員の継続的育成。
 (4)関係機関等との情報共有の推進
 ▽◎海上保安庁とのデータ通信能力の整備▽◎官邸等との間の通信手段の強化。
 (5)各種通信インフラの充実
 ▽衛星通信ネットワークの再構築▽防衛情報通信基盤(DII)の整備▽基地等における光ファイバー網の整備。
 (6)その他
 ▽防衛庁認証基盤の整備。

【基本方針6関連】

 ◇軍事科学技術の進展への対応(1873億円=17年度は1755億円)
 軍事科学技術の動向等を踏まえ、効果的、効率的な研究開発を実施する。
 ▽固定翼哨戒機(P3C)・輸送機(C1)の後継機の開発(次期輸送機(CX)の追加機能を含む)
 ▽◎新野外通信システムの開発
 ▽◎空対空用小型標的の開発
 ▽◎将来小型航空機への適用技術に関する研究。

【基本方針7関連】
 教育の充実により質の高い人材の育成に努め、精強な部隊の練成を図る。また、各種隊員施策の充実やメンタルヘルス(精神的健康)の維持向上を図る。

 ◇教育の充実
 (1)任務の多様化・国際化に対応するための教育
 ▽国防大学等への海外留学の実施▽留学生受入れの実施、語学教育の実施、国際セミナーの開催▽防衛研究所における新たな安全保障環境に対応するための教育の充実。
 (2)情報通信技術(IT)を活用した教育
 ▽遠隔地教育(部内通信講座)の充実▽IT利用型教育(AEC)システム等の整備。
 (3)装備品の高度化に対応するための教育
 ▽AH64D用戦闘シミュレータの整備▽潜水艦潜航操縦訓練装置の整備。

 ◇隊員施策の推進
 (1)生活関連、勤務環境改善施設の整備(568億円)
 ▽生活関連施設(隊舎等)の整備を推進▽世帯用(55平方メートル以上)宿舎の整備を推進▽勤務環境改善施設の整備を推進。
 (2)処遇改善(692億円)
 ▽諸手当の改善▽雑役務の部外委託。
 (3)就職援護施策の充実(19億円)
 (4)◎庁内託児施設の整備(3・2億円)
 (5)防衛参事官等俸給表の廃止
 ▽超過勤務手当相当分が一律に組み込まれている防衛参事官等俸給表を廃止し、行政職俸給表(一)を適用することにより、勤務の実態に応じた処遇を確保。

 ◇メンタルヘルスの維持向上施策の推進
 ▽各種相談体制の整備等、隊員に対する心理的ケアの充実

 ◇部隊訓練
 ▽訓練施設・器材の整備
 ▽各種訓練の実施
 (イ)共通=日米共同統合演習(指揮所)、◎自衛隊統合演習(同)、自衛隊統合防災演習、◎国際平和協力演習(同)、多国間訓練(コブラゴールド)への参加、◎拡散に対する安全保障構想(PSI)阻止訓練への参加。
 (ロ)陸自=協同転地演習(北、東北、中方の4個連隊基幹が北、東方の演習場で)、ホーク・◎中SAM年次射撃(各方面隊と高射校の17個隊が米国で)、地対艦誘導弾年次射撃(中方を除く各方面の6個連隊が米国で)、米国における射撃訓練(北方基幹の戦車5両、対戦車ヘリ4機、対舟艇対戦車誘導弾発射装置4基)、米国における実動訓練(ゲリラや特殊部隊による攻撃等対処訓練の実施、東、西方の2個普中)、中・重砲距離射撃訓練(東北方の1個大隊等が北方の演習所で)、ロケット部隊年次射撃(東北方と富士校の2個部隊が北方の演習場で)
 (ハ)海自=海上自衛隊演習(乙)、リムパック(護衛艦等5隻、航空機9機)、遠洋練習航海(北米、中米方面。練習艦・護衛艦3隻)、外洋練習航海(飛行幹候は護衛艦2隻、部内幹候は同3隻で、ともに東アジア方面)、護衛隊群の群訓練等(各群4回と大規模災害対処訓練)、P3C等群訓練(各群3回)
 (ニ)空自=航空総隊総合演習、空中給油訓練(F15が4機)、高射部隊等年次射撃訓練(12個高射隊、6個指揮所運用隊、1個基地防空射撃隊)、グアムでの日米共同訓練と空対地射爆撃訓練(F4が10機、E767が1機)、米空軍演習(コープサンダー演習。F15が6機、E767が1機と携SAM追随訓練用器材6組)

【基本方針8関連】
 基地対策等の推進(5001億円=17年度は4962億円)

 ◇基地周辺対策経費(1374億円)
 ▽基地関連市町村等から要望の強い周辺環境整備事業(河川・道路改修、学校防音等)について、所要の経費を計上。
 ▽防衛施設の存在という特徴を活かしたまちづくり事業及び基地関連市町村の裁量度が高い周辺整備統合事業等施策の充実に要する経費を計上。
 ▽飛行場等周辺の住宅防音事業について、所要の経費を計上。
 ▽砲撃を主とする射撃を実施している演習場周辺の住宅防音事業に係る調査経費を計上。

 ◇在日米軍駐留経費負担(2319億円)
 ▽現行特別協定は平成18年3月で失効するが、今後の措置については、現在協議中であり、現行協定の内容で、在日米軍従業員の給与及び光熱水料等の所要の経費を計上。
 ▽提供施設の整備等について、所要の経費を計上。

 ◇借料、補償経費等(1309億円)
 ▽防衛施設用地等の借上げ経費、漁業補償等の所要の経費を計上。

【基本方針9関連】
 装備品のライフサイクルを見据えた取得を実施するため、総合取得改革を推進する。また、自衛隊駐屯地(基地)・演習場等における環境対策の徹底を推進するほか、安全対策、衛生施策を推進する。

 ◇総合取得改革の推進(5億円)
 ▽装備品のライフサイクルコスト低減等▽取得関係職員の能力向上等。

 ◇環境対策(105億円)
 環境の維持・保全に必要な措置を講ずるとともに、環境負荷の低減に向けた取り組みを推進する。
 ▽大気保全対策▽リサイクル対策▽廃棄物処理対策▽水質保全対策▽環境保全施設の整備▽環境調査。

 ◇安全対策
 ▽航空機の安全対策

 ◇衛生(306億円)
 昨今の医官の充足状況等を勘案して、質の高い医官を確保・育成するための施策を推進し、自衛隊における健康管理体制等の強化を図るとともに国民の安全・安心に資する衛生態勢を確保する。
 ▽地区病院のオープン化その他の自衛隊病院等の医療態勢の整備▽防衛医学研究の推進▽看護師養成課程の4年制化の検討。

 ◇その他

 ▽特別輸送機(B747)の改修▽特別輸送ヘリコプター(EC225)の整備。