防衛関係資料


 

組織・制度見直しの最終報告(概要)


○防衛参事官制度の在り方
 1 内局、統幕・各幕、防衛参事官による長官補佐
 (1)内局は、政策的観点から政策の立案、法令の整備などを行って、長官を補佐。
 (2)統幕・各幕は、軍事専門的観点から部隊に関する計画の立案、執行などを行って、長官を補佐。
 (3)防衛参事官は、長官を幅広い観点から補佐するとともに、重要課題に柔軟に活用。
 2 防衛参事官制度の見直し
 (1)防衛参事官は、固定的な所掌、補佐事項に専念する傾向があるとの問題が指摘される一方で、近年、防衛庁の業務は、より幅広い観点が必要となっており、防衛参事官を、本来の趣旨に沿い、活用していくことが一層必要。
 (2)専門性の高い技術、衛生事務については、内局に担当指定職を新設(無任所参事官2名を振替)。これにより、防衛参事官を10人から8人(うち無任所参事官は5人から3人)とする。
 (3)防衛参事官の補佐体制を整備することとし、長官官房に新設予定の政策調整官(課長級総括整理職、仮称)を活用。
 3 長官補佐体制の実効性の向上
 自衛隊の行動に関しては防衛会議を効果的に活用することとし、平素から各種事態を想定して各補佐者の役割を確認するとともに、対処要領を確立。
 (参考)防衛参事官の設置趣旨
 専属的な所掌事務を持たず、フリーに長官を大所高所から補佐していく。なお、長官の命により、固定した分掌にとらわれず機動的にこれを活用。

○内部部局の改編
 1 改編の考え方
 (1)安全保障・危機管理への取組は、政府が一体となって総合的に実施する必要があるが、その中で、国の防衛を担当する官庁である防衛庁は中核的な役割を果たすことが期待される。このため、防衛庁は、このような役割を効率的・効果的に果たし得る体制を整備していくことが必要である。
 (2)安全保障環境の変化により、防衛力の役割は、従来の抑止効果を中心とするものから、新たな脅威・多様な事態に対する実効的な対処や国際平和協力活動への主体的・積極的な取組が重要となってきている。
 これを踏まえ、防衛庁の内部部局も、自衛隊の管理に加え、新たな行政需要に即応した政策を立案、実現し得る体制へと見直すことが必要である。このため、自衛隊の管理機能とともに政策立案機能も充実・強化するよう内局の組織を改編する。
 2 改編の骨子
 内局改編に当たっての重視事項は次のとおり。
 1)総合的な戦略環境の評価、防衛戦略の立案・推進
 ・安全保障・防衛上の課題に的確に対応するため、防衛局の戦略環境評価機能及び防衛戦略立案機能を強化
 2)新たな脅威や多様な事態への対応
 ・新たな運用ニーズに迅速かつ実効的に対応するため、運用に関する法令・制度等の企画立案機能を運用局に集約
 ・運用局に部隊の円滑かつ実効的な運用に必要な後方支援(特定公共施設の利用調整など)を行う体制を整備
 3)国際的な安全保障環境改善への取組
 ・国際平和協力活動により積極的・主体的に取り組むため、運用局の体制を強化
 ・安全保障対話・防衛交流等をより戦略的に拡大していくため、防衛局の安全保障対話等の推進体制を強化
 4)日米両国の緊密な協力関係の一層の充実
 ・防衛局の日米協議推進体制を強化するとともに、在日米軍施設の在り方の総合的な検討体制を構築
 5)上記事項を具現化し得る体制・基盤の整備
 ・長官官房に機動的に懸案を処理する総括整理職を新設
 ・防衛庁の方針・施策を地方公共団体等に周知するとともに、地方のニーズを把握し、施策に反映させる体制を長官官房に新設
 ・質の高い人材の確保・育成のための方針・制度の企画立案機能を強化するため、人事教育局を政策課題に応じた組織に再編
 ・ライフサイクルを見据えた開発及び調達を行う体制を整備するとともに、取得事業に対する監査体制を強化
 3 今後の予定
 改編内容の細部についてさらに検討を進め、平成18年度概算要求を実施。

○取得管理組織体制の構築
 1 取得管理組織体制の現状と課題
 (1)システム化等による装備の高価格化、毎年度の装備取得数量の減少傾向、装備品の構想から配備終了までの期間の長期化と技術進歩のスピードの加速化。↓技術の進歩やコストの変動に対応し得るライフサイクルを見据えた体制の整備が必要。
 (2)民間企業においては製造・品質保証部門の人員削減や製造工程を効率化、装備品の品質確保や企業の活動の実態に対応した原価計算を行うことが益々重要。↓契約の内容、契約履行状況の把握等の作業を一体的かつ迅速に実施することが必要。
 (3)装備品の研究開発の長期化。↓技術研究の戦略的実施や民生技術の活用・事業の見直し等を実効的に行い得る技術評価体制の整備が必要。
 2 組織改編
 (1)ライフサイクルを見据えた装備取得体制の構築
 装備品の誕生プロセス(開発を含む取得プロセス)において、爾後の装備品の一生の要素(補給・維持運用等)の情報を最大限に考慮した取得を行う体制を構築。
 ・管理局の原価計算機能、契約本部、技術研究本部の開発管理機能等を装備本部(仮称)として統合・再構築。
 ・装備本部において装備品の開発・調達に関するプロジェクト管理を実施。ライフサイクルを見据えた開発及び調達を行うために必要なデータの収集・追跡・分析等を実施。
 (2)優れた装備を創出し得る研究・評価体制の構築
 モデリング・アンド・シミュレーションや技術実証型研究などを活用して、技術的な観点からの研究・評価を実施し得る体制を構築。技本の技術戦略策定、技術評価、技術実証の3機能を強化。
 (3)取得業務に対するチェック機能(業務監察)の強化
 透明、公正かつ適正な取得を実施すべく、内部部局の監査機能の強化を通じて、装備本部に対するチェック機能(業務監察)を強化。装備本部内においても重層的なチェック体制を構築。
 3 装備取得体制の段階的整備
 (1)平成18年度に、装備本部の設置及び新技術研究本部の所掌の整備等を行う防衛庁設置法を改正。
 (2)現行の開発事業の混乱を最小限に留めるため、平成21年度までの間、新技術研究本部において引き続き、当該開発事業を実行し得る経過措置を設ける。
 (3)平成21年度の装備本部の体制については、引き続き関係者間で検討するとともに、今後実施する試行を踏まえ、体制を最終的に確定。

○施設行政の在り方
 1 基本方針
 新たな課題(新しい時代の周辺地域との調和、新たな安全保障環境への対応)に対して、的確かつ効果的に対処するため、施設行政に係る総合的な企画立案機能を強化するとともに、米軍施設・区域に係る施設行政部門と政策部門との連携強化を図るとの方針の下、以下の組織改編及び業務改善等を実施。
 2 組織改編
 (1)防衛施設課(仮称)の新設
 1)自衛隊施設の取得の基本等を所掌するととともに、新たに米軍施設・区域の提供等の事務のうち、重要事項についての企画及び立案事務を所掌する、防衛施設課(仮称)を防衛局に新設。
 2)同課は、戦略協議に伴う在日米軍の配置に係る米軍施設・区域の提供等の重要問題について、防衛政策課と連携するとともに、地元情勢等も視野に入れながら、施設庁と連携し、当該米軍施設・区域の提供等の事務の基本方針の策定等も実施。
 (2)防衛施設庁の改編
 1)時代の変化に対応した周辺対策事業の充実を図るための体制強化(首席周辺対策計画専門官(仮称)等)。
 2)建設部について、職種別課編成(建築、土木等)から機能別課編成(調査研究、建設工事実施計画等)に改めることにより、今後の重点課題であるテロ対策・IT化等を推進。
 3 業務処理体制の見直し
 (1)施設行政関連組織間の意思疎通・連携の強化(通達の制定)
 1)これまで事案毎に内局担当課から施設庁に地元調整を依頼していたところ、今後は、内局施設課が一元的に施設庁に依頼。
 2)個別事案に関して構成員を限定した会議を適宜開催すること等により、懸案事項へのより適切な対応を図る。
 3)地方において定例的に行われてきた周辺対策等に係る各施設局・関係部隊間の協議会等について、議題・メンバー等について柔軟に運用。地元調整に当たって施設局・部隊間の適切な役割分担について、事案や地域の特性を踏まえた対応を図る。
 (2)事務手続きの見直し
 施設関連の業務処理を再検討し、効率化を図る観点から、訓令等を見直す。
 4 人事制度の見直し
 (1)防衛庁を巡る最近の情勢変化を踏まえ、中央レベルで本庁内局の防衛政策部門と施設庁の米軍施設行政部門における部員・係長クラスの交流の推進。
 (2)施設行政及び防衛政策の双方の知見を有する人材の育成のため、地方レベルで各自衛隊と施設局との間も含め、意欲・能力を有する若手係長・係員クラスの交流を推進。

○地方組織の在り方
 1 見直しの趣旨―防衛庁・自衛隊における地方公共団体等連絡調整・協力機能の強化
 多機能で弾力的な実効性のある防衛力を構築し、また、武力攻撃事態等において国民の保護のための措置を適切に実施していくためには、地方公共団体等と平素から緊密な連携を確保し得るよう、地方公共団体等関連業務を円滑に処理する体制が必要である。このような状況を受け、地方公共団体等との連絡調整や協力機能を強化するため、次のとおり、見直しを実施する。
 2 方面総監部の見直し
 (1)有事における部隊等の活動のための地方公共団体等との連絡調整事務を一層円滑に実施し、国民保護のための措置を適切に実施し得るよう、方面総監部に、「地域連絡調整課(仮称)」を新設する(当該課には、部員クラスの事務官も配置)。
 (2)方面総監部において、政府レベルの政策(武力攻撃事態法、国民保護法、大綱・中期防等)に関する地方公共団体等との連絡調整及び協力についての企画・立案に参画し方面総監を補佐する事務官ポストである「政策補佐官(仮称)」を新設する。
 3 地方連絡部における見直し
 (1)地方連絡部において、新たに国民保護・災害対策を実施するため、総務課に「国民保護・災害対策連絡調整官(仮称)」(事務官)を新設する。
 (2)地方連絡部において、募集広報だけでなく一般的な対外広報も一層実施するとともに、地方における「ワンストップ行政サービス」を推進するため地方公共団体等との各種窓口業務を実施(施設局、部隊等の窓口として機能)する。
 (3)地方連絡部の下部機関の機能拡大等に伴い、地方連絡部は下部機関の事務についてより計画的推進や相互調整を実施することとなるため、地方連絡部の名称を「自衛隊○○地方連絡部」から「自衛隊○○地方本部(仮称)」に変更する等する。
 4 中央における見直し
 (1)防衛庁・自衛隊の施策を地方において周知宣伝することや防衛庁の所掌事務に関する地方情勢の調査、渉外等に関する事務等を中央において推進するため、長官官房に「地方調整官(仮称)」を新設する。
 (2)陸幕においては地方連絡部に新たに追加される機能に係わる事項の所掌を明確化する。

○自衛官と事務官等の関係の在り方
 1 防衛庁・自衛隊の業務の特性と問題の所在
 防衛庁・自衛隊に勤務する事務官等は、組織の特質から、1)他省庁と同様の行政官庁的業務を行う一方、2)業務が多数の駐屯地・基地等に散在している上、多様性があることから、他省庁と異なり多様な業務を行う行(一)と、維持管理業務に従事する多数の行(二)が存在。
 現在、事務官等について、定員削減による級別構成のアンバランス化、自衛官との役割分担の在り方や事務官等としての位置づけの不明確さ、アイデンティティの混乱、競争意識の阻害等の問題が存在。
 2 具体的な改善方法
 (1)自衛官と事務官等の集約再配置
 「自衛官と事務官等の基本的配置方針」の策定
 1)配置の基本的考え方
 自衛官は戦闘関連職務に、事務官等は行政事務的な職務にそれぞれ集中させるとともに、適切な事務官等の級別構成を確保するとの考えの下、双方を可能な限り分離・集約。
 2)配置の改善要領
 ・分離型 事務官等の配置が極少である部隊等については、事務官等を分離して自衛官に入れ替えることにより専門性が活かされるような行政事務分野へ付け替える。
 ・集約型 単一部隊内でのまとめやすい業務の集約化、近傍駐屯地・基地間での共通の業務の集約・一元化、特定部隊への共通的業務の集約化等により、集約・一元化し得る一般行政事務については、極力当該まとまりで組織を構成することで改善を図る。
 (2)現業的業務の処理策
 現在、行(二)職員を充てられている職務について、引き続き職員をもって充てる必要がある職務と部外委託が可能な職務に再整理↓部外委託が可能な職務について、毎年の定年退職者を対象に合理化を追求しつつ、合理化が困難なポストについては費用対効果、委託手法等の検討を行い部外委託を行う。
 3 概算要求の考え方
 自衛官と事務官等の集約・再配置、現業的業務の処理策とともに、今後、継続して要求を実施し、事業化していくことが必要。18年度要求の考え方は以下のとおり。
 (1)自衛官と事務官等の集約再配置
 事務官等の配置が極少の部隊等について、自衛官との入れ替えに着手。事務官等がまとまって業務を行うことが相応しく、専門性が活用されるような職務に付け替え。
 (2)現業的業務の処理策
 平成17年度中に定年退職する者のポストの中で、部外委託の可能性があるポストを対象に、合理化することが困難なポストを特定し、部外委託を行うべく要求を実施。